地方の小駅でよくみかける、往復乗車券や定期券を地元の駅で買うよう、旅客におすすめするご案内。あまり使わない言葉ではありますが、往復利用や定期券購入の慫慂(しょうよう)と呼び、国鉄時代から部内文書などではよく目にする言葉でした。
ところが、この画像は山形駅のもので、その地方の中核となる駅でこのような慫慂を行っているのは、あまり感心できないような気がします。このような慫慂を行うのは、営業実績を上げることで、優等列車の停車を維持したり、駅の無人化を防いだり、駅の利用実績を上げるためでもあるのです。そのような慫慂を大駅が行うことで、周辺の小駅の営業実績を奪っているとすれば、随分と殺生なものだと感じました。
私自身、このような慫慂で記憶に残っているのは、山陰本線・青谷駅の例です。山陰ワイド周遊券で旅行していたときのこと、米子からキハ181系使用の普通列車に乗って、途中の浜村で下車、後続の快速列車で鳥取へ向かう行程を立てていました。ところが、私は先乗の普通列車を浜村の一つ手前の駅、青谷で間違って降りてしまいました。
当時、快速は青谷駅に停車しない列車があり、予定していた後続の快速列車も見事に通過で、行程が崩れました。そのとき、青谷駅では、この慫慂を行っており、快速の全列車停車を目標に掲げておられました。数年後、時刻表を見ていると、同駅にすべての快速列車が停車しており、目標が達成されたのだなと思いながら、間違って降りたことを思い出しました。
マルス端末、出札、改札、その他、営業に関する小さなトピックスを紹介するミニコラムです。現在、以下のコラムを掲載しています。