マルス券やマルス端末についての情報に関するサイトです。皆さんからこれらの情報を投稿していただき、データベース的なコンテンツに成長させていくことを目指しています。

現行のマルス端末(顧客操作型端末)

二戸駅の出札風景

これまで紹介してきたマルス端末は、係員が操作する端末でしたが、この項では顧客操作型 - つまり旅客が自ら操作して指定券などを購入できるマルス端末を紹介します。会社によっては、むしろ券売機的な案内を行っており、一般的には指定券も買える券売機という認識が大きいものと思われます。

指定席連結列車が年々増え、また駅の出札体制の合理化を進めるにあたり、現状の窓口数を維持または減らしつつ、出札の自動化に貢献している端末で、近年急速に設備される駅が増えています。また、ネット予約などの仕組みが鉄道でもようやく一般的となり、ネット予約した指定券をこれらの端末で受け取ることで、特急料金を割り引くなど、窓口から券売機への転移を進めようとの施策が積極的に行われているのも、近年の出札体制の特徴です。

その一方で、普通の券売機に比べて操作が難しいことや、買える乗車券などの種類が、窓口に比べてある程度限定されることから、一部には不満の声が聞かれているのも事実です。窓口と券売機を適材適所に配置し、実際の運用から得られる経験を今後の施策に生かしていくことが望まれます。

端末の画像機種名印字用紙設置箇所
端末の説明
MV10型マルス端末@関西空港駅MV10型熱転写ロール紙[設置箇所]
顧客操作型の端末の大部分を占めるMV端末のなかで、その走りとなったのがMV10型端末です。導入当初はあまり一般的な存在ではなかったため、新幹線停車駅に主に設備されていました。次の項に登場するMV30型端末に比べると、複雑な乗車形態には対応できず、以後MV30型への置き換えが急速に進んでいます。MV30型端末に比べて、操作部のタッチパネルLCDの面積が小さく、設置面積が大きく必要でした。
MV30型マルス端末@青森駅MV30型熱転写ロール紙[設置箇所]
現在のMV端末の主役として活躍するのが、MV30型端末です。MV10型端末に比べてコンパクトにまとめられています。特にLCDタッチパネルが大型・高解像度化されたため、操作性が大きく向上しました。機能もMV10型端末に比べると向上しているようですが、その反面操作に戸惑う場面も多くみられます。また、一般的な券売機に比べると、画面遷移などに時間がかかるため、操作に慣れてしまうと多少もたつき感が気になることもあり、今後に期待します。
MV35型マルス端末@高知駅MV35型熱転写/感熱ロール紙[設置箇所]
MV30型を改良して登場した、MV35型端末です。硬貨の投入口などの形状が異なる他は、MV30型端末と外観は大きく違いませんが、MV30型に比べて、全体的に高速化されており、サービス向上につながっています。また、裏面の係員操作用画面も15インチに拡大されたほか、現金の取扱いに関する部分も機能向上が図られており、係員にとっても使いやすいものになりました。また、非接触ICカードや遠隔操作支援機能への拡張にも対応しており、後者はJR西日本で「みどりの窓口プラス」として、甲南山手、須磨の各駅で平成22年1月末から運用を開始しています。(参考:次期顧客操作形端末「MV-35形端末」の概要 - JR gazette 2008年4月号(交通新聞社))
MV40型マルス端末@広島駅MV40型感熱ロール紙[設置箇所]
MV端末の中には、ネット予約・ネット決済した指定券を受け取ることに特化した端末も存在します。MV40型端末もその一種で、現金をやりとりする機構が存在しない分シンプルにまとまっています。MV端末は総じて操作が複雑なため、係が常駐して案内にあたっていることも多く、いわば単能式なマルス端末というコンセプトで、このようなシンプルな端末に特化してしまうのは面白いやりかたでしょう。
MEV型マルス端末@(北)福島駅MEV型熱転写ロール紙[設置箇所]
JR東日本の受け取り専用機です。「えきねっと券売機」の愛称で案内されている端末で、えきねっと割引を展開させるために、新幹線停車駅各駅に設置されています。そのため、通常のMV30型端末が置かれていない、秋田新幹線などの小駅にも置かれています。
ER型マルス端末@北立川駅ER型感熱ロール紙[設置箇所]
JR東日本が小駅の出札体制を合理化する目的で設置した端末で、「もしもし券売機 Kaeruくん」の愛称で案内されている端末です。これまでの顧客操作型端末と異なり、センターのオペレーターと対話を行いながら指定券などが購入できるもので、MV端末に比べて、複雑な操作を行う必要が少なく、口頭で希望内容を伝えることができるため、発売できる券種も大幅に拡大しました。しかし、有人窓口に比べると、発売できる券種が多少限定されることや、新学期などで新規定期を購入する旅客が殺到する時期などの波動的な需要に対して、柔軟な対応を行うことが難しいこと、またオペレーターは東京から東北まで広い範囲の駅の窓口を担当する必要があるために、地域性を含めたきめ細かい対応を行うのが難しいことなど、合理化施策に対する批判も多く聞かれます。窓口係員をセンターに集約して対応するというコンセプトは斬新だと思われるだけに、今後改良を加えて発展させていくことが望まれます。

※ このページに掲載されている、MV40型端末の写真については、(4-タ)さんから、ER型端末の写真については、まっちゃんさんからご提供いただきました。準備中と表示されている端末の画像を提供していただける方がいらっしゃいましたら、管理人までお知らせください。