マルス券やマルス端末についての情報に関するサイトです。皆さんからこれらの情報を投稿していただき、データベース的なコンテンツに成長させていくことを目指しています。

現行のPOS端末

これまでに紹介したマルス端末は、指定券の発売を主な目的として、マルスホストに接続して発売を行う端末でしたが、この項で紹介するPOS端末は、指定券以外の主に在庫管理を必要としない乗車券などの発売を行います。

POSとは、広義には商品単位で発売管理を行うシステムを指し、鉄道においては発売した乗車券などの集計・締切業務を行う後方業務的なシステムとして広く使われています。そのため、会社によってはマルス端末に集計・締切業務を目的としたPOS機能が内臓されていたり、窓口でマルス端末の横に置かれて運用されているケースなど様々です。この項では、乗車券の発券機能が備わったPOS端末に限定して取扱うことにします。

POS端末には、マルス端末を設置することを要しない小規模の駅における出改札機器として使われることのほか、在庫管理を必要としない乗車券などを、マルスホストを介さないローカル発売を行うことを目的として運用されているケースに分けることができます。後者の例では、JR北海道の総販システムなどのように、マルス端末に内臓される例となります。しかし、純粋なマルス端末においても、内部的にはローカル発売を行うことも多くなり、後者の意味合いでは広くマルス端末全体にもいえるようになってきています。

端末の画像機種名印字用紙設置箇所
端末の説明
JR北海道総販システム@釧路駅JR北海道総販(熱転写)熱転写ロール紙[設置箇所]
JR北海道が導入している総販システムです。総販システムは、マルスホストを介さないローカル発売を行うことを目的としてマルス端末に内臓される形で実装されており、発券プリンタに熱転写方式を採用するものでは、現在MR12型端末が用いられています。総販システムでは、JR北海道内完結となる乗車券類を発売することができるほか、その名のとおり旅行業などを含めた総合的な販売システムとして、同社が展開する旅行センターなどにも広く設置されて発券業務を行っています。きっぷ収集趣味としては、左下の [総販] 印字など、旅行業の券などを含めると様々印字パターンがあるのが特徴で、POS券のなかでも最も興味深いもののひとつと言えるでしょう。
JR北海道総販システム@千歳駅JR北海道総販(感熱)感熱ロール紙[設置箇所]
総販システムは、JR北海道がMR32型端末を導入したことで、従来の熱転写印字を行うMR12型端末に加えて、感熱印字となる券が登場しています。端末の画像としては、前項のMR12型と同様にマルス端末の画像となります。
準備中JR東日本POS端末熱転写/感熱ロール紙[設置箇所]
JR東日本では、マルス端末を設置することを要しない小規模の駅における出改札機器としてPOS端末を置いています。近年になって端末の更新が進み、発券プリンタなどMEM型端末で用いられているものとの共通化が進められているようです。
B−POS端末@小屋浦駅JR西日本B-POS端末熱転写ロール紙[設置箇所]
JR西日本でも、マルス端末を設置することを要しない小規模の駅における出改札機器としてPOS端末を置いています。以前使われていたS−POS端末においては、指定券が直接発券できましたが、B−POS端末になって指定券は発売することができなくなりました。POS端末ではマルス端末と異なり、JR北海道の総販システムを除いて、発券されるきっぷ券面に発区分記号と呼ばれる、[西] などの印字が行われます。一般的には左方上部に表示されることになっていますが、B−POS端末では中央右寄りに印字されるのが、券面の特徴です。
準備中JR四国POS端末熱転写プリカット紙[設置箇所]
JR四国のPOS端末です。JR西日本のB−POS端末と異なり、四国内などの一部の列車に限って、中継により指定券を発売する機能があります。しかし、直接ホストとやりとりする方法ではなく、従来行われている電話による中継発売で、料金専用補充券を書く代わりにPOS端末に項目を入力することにより発売を行います。
JR四国POS端末@菊間駅JR四国POS端末
JR四国では、昨年の冬から新たなPOS端末を配備することで、乗車券などの発売体制を強化しています。この端末は、補充券類の在庫管理や集計・締切業務、運賃・料金計算などに用いられているのみで、直接乗車券などを発券することはできず、補充券を用いて発売を行っています。最近のトピックとして参考までに掲載しましたが、発券プリンタを接続することで、直接乗車券などを発売できる体制も整えることができるようになると思われ、今後の動向が注目されます。
準備中JR九州E-POS(熱転写)熱転写ロール紙[設置箇所]
JR各社が設置するPOS端末では、JR東日本やJR西日本のPOS端末のように全国のJR券が発券できる場合と、JR北海道の総販システムのように自社完結となる乗車券類の発売に限られるケースに大きく分けられます。JR九州のE−POS端末も、原則して自社完結となる乗車券類を発売することに主眼が置かれた端末ですが、本州連絡となる乗車券など、特に駅ごとに需要の大きい区間に対しては、口座を設定することで他社関連となる乗車券類も発売できることが大きな特徴です。また、JR四国のPOS端末同様、中継操作により指定券の発券にも対応しています。
準備中JR九州E-POS(感熱)感熱ロール紙[設置箇所]
JR九州では、小規模の駅における出改札機器としてPOS端末が設置されている場合のほか、みどりの窓口がある駅でマルス端末に内臓されるPOS端末として運用されている場合があります。感熱のPOS券としては、MR32型端末によって発券されるものがあり、ローカル発売を目的とした点では、JR北海道の総販システムに似ているといえるでしょう。

※ このページに掲載されている、B−POS端末の写真については、(4-タ)さんからご提供いただきました。準備中と表示されている端末の画像を提供していただける方がいらっしゃいましたら、管理人までお知らせください。